WORD ハーバリウム用語
ハーバリウムにもハーバリウムの専門用語から
普段使用している道具、ハーバリウムならではの道具等がある。
ここでは、ハーバリウムに携わる上で必要最低限の用語を紹介する。
あ行
・アーティシャルフラワー(造花)
アーティフィシャルフラワーは、主にポリエステルやポリエチレンといった素材で作られており、
他のドライフラワー等と比べ耐久性に優れているが、色落ちするものもある。
ドライフラワー、プリザーブドフラワーで、ハーバリウムに使える花材が無い場合、
アーティシャルフラワーで代用する事がある。
・色落ち
ハーバリウムオイルにつけると、「色落ち」といって、花材の色が変色してしまう場合がある。
色落ちした花材は、商品としての使用が出来ない為、全ての花材がハーバリウムに使用出来る訳ではない。
また、花材のメーカーによって、色落ちの差はある。ハーバリウムを作成する際は
事前に花材の色落ちテストをする必要がある。
・引火点
引火点250度以下のオイルは消防法で店頭販売する際には届出が必要とされている。
基本的にハーバリウムオイルはその基準をクリアしている安全なオイルであるが、ある程度の量を
制作を依頼する場合はどのようなオイルを使用しているか確認しておく方が良いだろう。
・オイル
ハーバリウムを制作する際に、必須のアイテムとなる。
瓶に花材を詰めた後、オイルを注入して完成となる。
ハーバリウムで使用するオイルは、ミネラルオイルとシリコンオイルの2種類となる。
か行
・花材
ハーバリウムで使う花。主にはドライフラワー、プリザーブドフラワーがあるが
場合によって造花を使用する場合もある。
全ての花が花材と出来る訳ではなく
ドライフラワーに向かない花もあり、条件としては
水分が多く含まれていて、変色が激しく、花びらが薄いもの等がある。
・屈折率
屈折率が高いと、中身の花材がひと際明るく発色しているように見える。
ハーバリウムオイルの屈折率はガラスにとても近い。(ガラスの屈折率は1.51)
光の全反射という現象で、瓶の中に植物が閉じ込められているように美しく見える。
さ行
・ジョウロ
仕上げとしてのオイルを入れる際に使用する。
勢いよくオイルを注ぐと、デザインした花が崩れる場合があるので
先端が細い方が扱いやすい。
・シリコンオイル
ハーバリウムで使用するオイル。流動点が低く、
氷点下においても透明度及び粘度が変化しない為、寒冷地では
シリコンオイルを使用する。また、300度以上と引火点が高いのが特徴。
基本的にミネラルオイルに比べて色落ちがしにくいため、耐久性にも優れるが高価となる。
・水中花
江戸時代からの伝統的な花の鑑賞法。
水を入れた容器の中に造花をいれたりして、花を観賞して親しまれていた。
ハーバリウムはその現代版アレンジとも言われている。
た行
・ドライフラワー
プリザーブドフラワーと混同されやすいが、ドライフラワーは別物である。
その名の通り、生花を麻紐で縛り日陰で風通しの良いところに吊るし乾燥させてつくられる。
着色等はされず、自然の色そのままのナチュラルなカラーがドライフラワーの特徴である。
ハーバリウムでの使い方としては、アンティーク感を出したい時や、プリザーブドフラワーだけの場合
偽物感も出てしまうため、アクセント的に用いられる場合もある。
・ディスプレイライト
ハーバリウムの下に照明を当てると、幻想的なハーバリウムへと変化する。
イルミネーションはもちろん、屋内のパーティーや誰かを喜ばせたい時等でも大変効果的である。
基本的にはLED照明を使用した乾電池タイプが出回っており、ハーバリウムの魅力の1つとして
注目されている。台座は丸型や台形型等がある。
・トレイ
ハーバリウムを制作する際に使用する。基本的に花材をハサミで切って使用するため
予めトレイに使用する花材を用意しておくようにする。使いやすいトレイで問題ない。
・特大ハーバリウム
一般的なハーバリウムは、最大で300ml~500mlであるが
10Lクラスのハーバリウムが特大ハーバリウムとなっている。
イベント等ではインスタ映えする目玉作品として注目を集めている。
今後は富裕層の自宅玄関に飾られている事もあるかもしれない。
な行
・粘度
ハーバリウムに使用するオイルの粘度。
粘度が低い(数値が小さい)程サラッとした粘度で、粘度が高い(数値が大きい)程ドロッとした粘度となっている。
つまり、粘度が低いほど花材がズレやすいが、仕上がりが良いため上級者向けのオイルとなっている。
一方、粘度が高い程花材がズレにくくなる為、初心者には扱いやすいが注入速度が遅くなる。
その為ハーバリウムをイベントで大量活用する際は、粘度の低いオイルで注入速度を速める方法が取られる。
また、制作デザインにおいて、細かいデザインの場合は粘度の高いオイルを使用する場合がある。
は行
・ハーバリウム
ハーバリウムとは、植物標本を意味する単語の「herbarium」
に由来する言葉である。ドライフラワー等を透明の瓶の中に入れ
オイルを入れる事で、瑞々しい状態で鑑賞する事が可能となった。
本来では植物標本の意味があったハーバリウムも、現代では華やかな
インテリア雑貨としての意味合いが強くなってきている。
・ハサミ
ハーバリウムを作る上で必須のアイテム。
通常のハサミでも問題ないが、生花用のハサミや園芸用のハサミの方が花材が傷つきにくいので
プロはその様なハサミを使用する。中でもプリザーブドフラワー用のハサミはワイヤーカッターが
付いている為、機能的にも優れている。
・比重
ハーバリウムでの比重とは、オイルの数値を指す。数値が低い方が物質が沈みやすい液体となり
数値が高いほうが物質が浮きやすい液体という事になる。ミネラルオイルの方が数値が低く
花材が浮きにくい為、初心者向けである。
・ピンセット
ハーバリウム制作の必須アイテムであるが、一般的なピンセットで問題ないが、
先端がギザギザになっているピンセットの方が使いやすい。長いロングタイプのピンセットもあるが
1L以上の容器等で無ければ出番はないだろう。基本的には通常のピンセットで先端が曲がっているものもあるので
使いやすいピンセットを使うといい。
・プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーは誕生してから約20年と、まだ歴史が浅い加工法である。
「プリザーブド」とは英語の「preserved」のことで、「保存された」という意味がある。
生花の一番美しい時期に色素を抜き取り、特殊な加工を施している為、バラエティに富んだ着色が可能となっている。生花よりも破損しやすい為、瓶の中に閉じ込めて長期鑑賞出来るハーバリウムの人気が高まっている。
・棒
基本的にはピンセットを使って瓶の中に花材を詰めていくが
棒を使って押し込めていく場合もある。
ま行
・ミネラルオイル(流動パラフィン)
ハーバリウムで使用するオイル。流動パラフィンとも言う。
シリコンオイルに比べて比重が軽いため、比較的花材が浮きにくく、初心者向きのオイル。
ベビーオイルの原料としても使用されていて、肌への刺激が極めて少ないオイルとなっている。
耐寒性は弱く、マイナス10度を下回ると濁り出すので寒冷地では向かない。シリコンオイルに比べて
ミネラルオイルの方が光の屈折率が高く、光を取り込んだ時に花材が美しく見える特徴がある。
や行
容器
ハーバリウムの容器は基本的に透明な瓶(ボトル)が主流となっている。
色の付いた瓶では、花の個性がいきないからだ。基本的なサイズは50ml~200mlとなっている。
特殊な容器としてはアルファベットを文字としたボトルもある。この容器はプレスチック製となっている為
輸送中に割れる等の心配がない為、通常サイズでもイベントの際などはプラスチック製のボトルにする場合がある。
また、引出物や席札用等に30mlのミニボトルもある。
ら行
・流動点
流動点とはハーバリウムオイルが流動する最低の温度を指す。温度が下がると水が凍って氷になる様に、
オイルも流動点より下がると凝固する。また、流動していても流動点近くに温度が下がるにつれ、白く濁っていく。
ミネラルオイルはマイナス10℃で濁り始める為、寒冷地ではシリコンオイルを使用する方が良い。
わ行
・ワークショップ
日本語にすると体験型講座、ハーバリウム体験教室となる。
イベントでもハーバリウムワークショップをやる事で集客効果が期待されている。